過去の展覧会



アルスギャラリー18周年記念

藤原彩人 展 「像化-軸と周囲-」

日 程 2020年5月12日 (火)〜5月24日 (日)
月曜日 休廊
時 間 12時〜19時(最終日は17時まで)

新型コロナウィルスの影響により、開催を延期とさせていただきます。

1975年京都府生まれ、栃木県出身
2003年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
2007-2008年文化庁在外派遣研究員として英国ロンドンに滞在(V&A美術館)
現在、東京造形大学美術学科彫刻専攻領域非常勤講師、他。
人体/生体を彫刻する上で、器のもつ内と外という二面性を発展させ、人間の内と外、存在と虚無、光と影といった、相反する二つの要素を同時に併せ持った像を、陶素材で表現している。他に彫刻の考察を主題とした教育目的の活動を行うAGAIN-STの活動等、彫刻を軸としたプラットフォームの確立にも関わっている。
近年の主な展覧会として「みる、ふれる、きくアート-感覚で楽しむ美術-」(栃木県立美術館 2013)、「Shizubi Project 4 ヒトのカタチ、彫刻」(静岡市美術館 2015)、「オープンシアター/KAAT突然ミュージアム2016」(KAAT神奈川芸術劇場2016)、現代美術実験展示「パースペクティヴ(1)」(インターメディアテク2017)、「いのちの交歓―残酷なロマンティスム-」(國學院大学博物館 2017)、「GESTURE」(gallery21yo-j 2018)、「土祭2018」(益子町内 2018)、「像化―雨の行方―」(gallery21yo-j 2019)など。




藤原 彩人

 建築家北川原温氏が設計したアルスギャラリーは「寡黙であることこそ無限の可能性を演出する」というコンセプトのもと、素晴らしい空間が作られている。しかし私はこの展示空間となる真っ白のキュービックな2つの空間に、正直、難しい印象を持った。それは完成された無の空間、それだけで十分な説得力を持つ無言の強いヴォリュームを持っているからである。
 例えばそれはドローイングも同じであると考える。真っ白な四角い紙は凛として張り詰めたモノとして存在している。その紙に絵の具で点を打った瞬間、それは失われる。しかし支持体となる紙と表現物となる線や色との関係を何かしら築くことで未知なる世界が創造される。
 私は制作において、一期一会に関係性を築きながら、モノとモノの関係性から新たな像を生み出すことを目的としている。それは展示も同じことである。
完成された空間は、作品を置くことで、もしかしたら壊れるかもしれない。だから故に、この空間に真摯に対峙し、緊張感を持って作品を「置く事」を楽しみ、作品と空間の関係性から生み出される可能性をこの展覧会で演出できればと思う。


ars gallery